ジェルネイルをやるにあたり、ジェルネイルアレルギーがでないか心配という方や、すでにジェルネイルアレルギーを経験したけれどやっぱりジェルネイルをやりたい!という方がいらっしゃると思います。今回はアレルギーの原因とその対策法について説明します。
ジェルネイルアレルギーとは?

ジェルネイルでおこるアレルギーは、使用するジェルによっておこると考える方が多いかと思いますが、実はジェルだけでなくジェルネイルをするにあたって使用するジェル以外の溶剤や道具によっておこるアレルギー全般を指します。したがって、アレルギーの原因やその対策は使用するジェルだけに気をつければいいものではありせん。
アレルギーの症状としては『かゆみを感じる』『小さな水疱ができる』『皮膚が赤くなる』『皮膚が腫れる』『皮膚が荒れてひび割れる』など様々な症状がでます。まれに爪にアレルギー反応が出ると誤解されるかたがいらっしゃいますが、基本的に爪は死んでいる細胞なのでアレルギー反応はおこしません。爪ではなく皮膚にでる症状となります。症状の多くは指周りにおこりますが、重症化すると範囲が広がり手の甲まで広がったり、場合によってはさらに広範囲に広がる危険性があります
必ずしもジェルを塗ってすぐにアレルギーの症状がでるとは限らず、塗ってしばらく経ってから症状がでてきたり、いままで長い間使用してきたアレルギー症状がなかったものを使用しているのに、いきなりアレルギー症状がでるようになるという場合もあります。
アレルギーは一度発症してしまうと治らないといわれていますので注意が必要です。
アレルギーの原因は?

人はほとんどすべての成分に対してアレルギーを発症する可能性があるため、アレルギーの症状がでたその原因を特定するのはかなり難しくなります。特定するには例えばジェルが原因だとすると、そのジェルに含まれるすべての成分についてパッチテストをする必要があるからです。
とはいえ、可能性が高いという意味合いではいくつかの要素がありますのでそちらをご紹介します。
①HEMA
ジェルネイルの成分のなかでどの成分が原因になっているかを特定するのは先述の通り難しいのですが、比較的アレルギー症状の原因物質となっている可能性が高いと言われている成分がHEMA。多くのジェルネイルに採用されている成分ですが、アレルギーを抑制するために最近はHEMAの入っていない(HEMAフリー)のジェルネイルも徐々に増えてきています。
②アセトン
ジェルネイルをオフするリムーバーにはジェルを溶かすための成分としてアセトンという成分が含まれています。アセトンでオフする場合はどうしても皮膚にアセトンが一部触れてしまいますので、アセトンが原因の場合はフィルインやピールオフなど、アセトンを使わないオフを前提としたジェルネイルにする必要があります。
③ジェルクリーナー(エタノール)
ジェルクリーナーにはエタノール(アルコール成分)が入っていますので、エタノールやアルコールに敏感な方はアレルギーを起こすことがあります。使用前にパッチテストを行いましょう。
④UVライト(紫外線)
ジェルネイルは特定の光の波長に反応して固まります。そのため、ジェルネイル用のライトで手を照射するのですが、その時にUVライトが出している波長は365nmとう波長で、これはUV-A波という紫外線の領域です。そのため、紫外線に敏感なかたはジェルネイル用のライトでアレルギー反応を起こす場合があります。
ジェルネイルは紫外線にあてると硬化すると認識されているかたも多いようですが、近年のジェルのほとんどはそうではありません。近年のジェルのほとんどは405nmという波長で反応するようになっており、これは紫外線ではなく可視光線とよばれる波長領域です。そのため、ライトの主流もUVライトからLEDライトに変わっています。
⑤ダスト
サンディングした爪のダストやジェルネイルをオフするときに削ったジェルのダストなどを吸い込んでアレルギーを発症する場合があります。特にジェルの削りカスは化学物質の塊ですので吸い込んで体内に入れないように注意しましょう。
アレルギー症状がでたらどうすればいい?

症状の多くは指周りにおこりますが、重症化すると範囲が広がり手の甲まで広がったり、場合によってはさらに広範囲に広がる危険性がありますので、症状を感じた場合はすぐにジェルネイルの使用をやめて、症状がひどい場合はすぐに皮膚科を受診しましょう。
ジェルアレルギーにならない為に必要なことは?
①ジェルを皮膚に着けない
ジェルアレルギーを防ぐために一番必要なのがこの『ジェルを皮膚に付けない』ということ。爪はすでに死んでいる細胞ですので、ジェルが爪にしか触れていなければジェルが原因でのアレルギー反応は基本的にはおこりません。
ジェルネイルを爪のぎりぎりまで塗りたい気持ちはよくわかりますが、それよりも大切なことは健康で長くジェルネイルを楽しむことです。まずはジェルをとにかく爪からはみ出さないように塗って、皮膚にジェルを付けないこと、万が一付いてしまったらすぐに拭き取ることを徹底しましょう。
はみ出さずに塗れる技術が身についたら、徐々に爪の際まで塗れるようにする気持ちで楽しむことがアレルギーにならないために一番有効です。
また、意外と見落としがちなのが未硬化ジェルの拭き取り(ワイプ)のときにジェルが皮膚についている可能性。ワイプスポンジについたジェルが皮膚にふれていたり、拭き取り時に未効果ジェルが皮膚にはみ出していたりすることがあります。その点は、トップジェルを未硬化ジェルが出ず拭き取りが不要なノンワイプトップジェルを使えば安心です。
②LED対応ジェル&LEDライトを使用する
昔のジェルはUVライトが主流で、前述の通り365nm前後の紫外線で硬化するジェルが使われていました。そのため、紫外線に敏感なかたはライトを照射することでアレルギーをおこしていました。
一方LEDライトが出す光の波長は紫外線でななく405nm前後の可視光線ですので、紫外線のよるアレルギーが出る可能性が大きく下がります。LEDライトとLED対応ジェルを採用しているメーカーを使用しましょう。
ここで注意していただきたいのは『ハイブリッドライト』などの名称で、UV・LEDともに対応しているライトがあること。こちらは365前後~405前後までの幅広い波長の光を出していますので紫外線を含みます。紫外線に敏感な方は使用を避けましょう。
③アセトンを使わずオフできるジェルを使用する
アセトンにアレルギー反応がおこるかたは残念ながら通常のソフトジェルには向きません。その場合は爪からペリッと剥がせる『ピールオフジェル』や、専門の技術が必要ですが、オフはジェルのすべて削り落としておこなう『ハードジェル』などアセトンを使わない方法のジェルネイルをする必要があります。
なお、フィルインというアセトンを極力使わない技法もありますが、フィルインは定期的なメンテナンスやリフトが起きた場合などにはアセトンを使ってオフする必要がありますのでアセトンアレルギーの方には不向きですし、技術的にもセルフでやるにはハードルが高くなります。
ジェルのタイプについて詳しくはこちら
④使用するジェルを変える
前述のとおり、どの成分に反応してアレルギーが起きているのかを特定するのは難しいですが、HEMAなど比較的原因になりやすいといわれている成分があるのも事実です。アレルギーをおこしたジェルとは違う成分でつくられているジェルメイカーのものに変えるとアレルギーがでない可能性もあります。とくにHEMA配合のジェルだった場合はHEMAの入っていない(=HEMAフリー)のジェルを試してみてもいいでしょう。
また、化粧品登録のないジェルや、安全性や品質に無頓着な格安メーカーを避けることも重要です。
⑤マスクの着用と換気をおこなう
ダストや揮発した空気中の成分を鼻や口から体内にいれてしまう可能性をなくすためにもジェルネイルはマスクを着用しての施術をしましょう。また、アセトンやクリーナーのアルコール分など、可燃性のものをジェルネイルでは使用しまうので、アレルギーを防ぐためだけでなく、必ず換気しながらおこないましょう。
まとめ
ジェルネイルにはリスクとしてアレルギーがあるのは事実です。でも、アレルギーになる原因と予防法をしっかり抑えてジェルネイルを正しく使っていればほとんどの方はアレルギーにならずに楽しむことができるものです。
長くジェルネイルを楽しみたいなら、知識を身に着け、アレルギーにならないようにジェルネイルをしましょう!